El fandango en la frontera

辺境のファンダンゴ。メキシコ在住ライターのラテンアメリカ情報ブログ。

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手術入院体験記3 まったく記憶がない 

8月13日

今日は手術の日。早朝、看護婦が起こしにきて、ふたたび剃毛処理をされる。
こう何回も剃毛されると、人前で股間をさらすのも平気になってきそうだ。
点滴を開始。足にぐるぐるとサポーターを巻かれる。
部屋を出る前に、起きていたらしいツタンカーメンが、「きっとうまくいくから」と声をかけてくれる。手術室搬送用の専用ベッドに横になるように言われ、寝たまま運ばれる。
ここはメキシコだから、もしかしたら歩いて手術台まで行くのかなあ…と、なんとなく思っていたのだが、さすがにそうではなかったので、少し安心する。


手術が始まる前まで、手術室の手前の部屋(recuperacion。手術後回復するための部屋)で待機することに。病室から付き添ってくれた看護婦が「Suerte(成功を)」と声をかけて去って行く。
せっかく成功を祈られたのに、心細い気持ちになってくる。
この部屋の担当のちょっとオネエキャラのルイスという男性が、
「あなた日本人でしょ?」ときいてくる。
そうだ、というと、日本食のバランスの良さについてとうとうと語られ、
「メキシコ料理はほんとうに駄目よね、その点では!」と、
あんまりにメキシコ料理をけなすので、なんでか知らないけど
pico de gallo(サルサ・メヒカーナとも言う。サルサについてはこちらの記事を参考に)はバランス食だと思うけど、と思いきりメキシコ料理の肩を持ってみるが、
「でもさ、やっぱメキシコ料理は油もチレ(唐辛子)もいっぱい使ってるし、そんなの健康と美容のためには駄目よ駄目っ!ほら、だって私たちすごいデブでしょう!?」とたしなめられる。
ルイスは多くのメキシコ人がそうであるように「寿司が大好きなのよ〜寿司もお魚が食べれてバランスがいい料理よねっ」と言っている。「でも、日本人は寿司を毎日食べるわけじゃなくて、特別な日とかに食べるんだよ。モーレ(メキシコのチョコレートソース料理)を毎日食べないでしょ?」と、また私も適当な持論を述べ、対抗してみたりして。しかし、なんで、緊迫した手術前にこんな会話をしなきゃいけないんだろう….。
あっ!もしかして、ルイスは私をリラックスさせようとしているのかもしれない。
と、考えるが、そうじゃないだろうな、別に。
そうこうするうちに、麻酔技師が現れる。そして手術室のなかに移動。全身麻酔をするので、その承認のために書類にサインをしろと言われ、いつものように漢字で自分の名前をサインすると、「キャー、みてみて〜日本語だ!」と言って皆珍しがって感嘆の声をあげている。そのなかのひとり、ダイアナ・ロスのように化粧の濃い女医の手術用の着衣は真っ赤で、派手なネックレスをしていて、こんな着飾った人が、とてもこれから私の腹を切るように思えない。そういや、執刀医であるはずの医師の姿がないんだけど、大丈夫なんだろうか。と、考えていたら、麻酔が効いてきてあっという間に眠ってしまったようだ。

ゆっくりと目が覚め、気がつくと、手術室の外に居た。異様に寒い。
ルイスがいたので、毛布をくれと頼み、今何時なのかときけば、「もうすこしで2時になるくらいかな」と言う。
手術は9時開始だったので、すでに5時間くらい経っているではないか。
隣にも手術を受けた女性が横たわっていて「腹が腹がめっちゃ痛い〜」と、うなっている。私は、というと、思ったよりは痛くない。ちょっと腹を触ってみると、手術した形跡はあるのだが、怖くて確かめられない。
どういう手術だったのかもわからず、ルイスに手術はうまくいったのか、と質問すると
「うまくいったんだよ。くわしいことは後で医師があなたに話すから」と言われる。なんだか不安だ。
何しろ、まったく記憶がないのだ。

しっかり目が覚めたということで、病室に戻る。
病室には、もうツタンカーメンも落合の妻の姿もなかった。無事に退院したようだ。
誰もいない静かな病室で、ちょっとほっとする。
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[ 2012/09/11 07:34 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(0)
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