El fandango en la frontera

辺境のファンダンゴ。メキシコ在住ライターのラテンアメリカ情報ブログ。

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手術入院体験記4 新たなキャラが現れた 

8月14日

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チャベーラ・バルガス(Wikipediaより)

朝になり、自分の身体を確かめると、尿管と尿を受け止める袋と、左腹にホースのようなものが出ていて、そこから血のようなものが流れているのをキャッチするビニール袋がついていた。
なんとか自分でトイレに行くことはできるので、尿管は取ってもらうが、このホースと袋はいつ取れるのだろう…。傷は臍の上から下腹部まで縦に15cm以上あって、なかなかデカい。これで腹に顔を描いたらフランケンになりそうだ。そんな機会はなかなかないだろうが。
傷は思ったより痛くないが、ホースが出ている部分を押さえると痛い。そうだよな、身体に穴が開いたまんまなんだもんな。

しばらくすると、手術時に派手に着飾っていた女医のダイアナ・ロスが現れ、説明をしてくれた。
卵巣一個と盲腸を取ったそうだ。しかし、いっぺんに手術したのか!!うちは盲腸の病気にかかる家系なので、取っておいたのはよかったのだが。
両方の卵巣にできていたのは膿腫ではなく、チョコレート嚢胞だったそうだ。片方の卵巣は拳よりも大きくなっていたので、卵巣ごと嚢胞を取りのぞき、もう片方は小さかったので、卵巣を活かし、嚢胞にたまっていた血液を抜いたそうだ。手術前に腫瘍マーカーの数値が異様に高かったので、ガンの可能性も考えておけと言われていたのだが、そうではなかった。嚢胞にたまっていた血液がなんと7年以上前からのものだったというから驚く。原因はわからないのだが、おおかたがストレスによるものなのだとか。確かに7年前は日本でまだ暮らしていて、激しい環境の変化があり、相当なストレスが溜まっていた時期なので、それが原因なのは想像がつくけれど、ここまで自分の不調に気がつかないものなのか。そう考えたら怖い。少しでも身体に異常を感じたら、早めに検査をしたほうがいいのだなとつくづく思う。
私の場合は嚢胞と内臓の癒着がすごくて、それを全部正しい位置へと直し(ってどうやってるんだ?)
きれいに水で洗ったそうだ。だから、腹にホースがあるのか….どうやら、内臓を洗った水が出なくなるまで、ホースとビニール袋をつけていないといけないらしい。
「本当に大変な手術だったけど、成功したのよ」というダイアナ・ロスの言葉を、なんだか自分のこととは思えないまま、きいていた。まったく記憶がないんだけど、大変だったのか。麻酔のおかげで何も気がつかないまま手術が終わってよかった。
私の顔をみて安心したのか、面会にきた夫は感極まって泣いていた。
「手術があまりにも長引いたので、ものすごく心配したんだ」と言っている。
私は生きている。生かされているのだ。本当によかった….とそのとき初めて実感が湧いた。

この病室には、もうツタンカーメンや落合の妻も居ないから、今はひとり部屋みたいなもんで、快適だ。この感じだと丁稚もしなくていいから、ゆっくり休めるし、早く退院できそうだなあ、なんて思っていたそのとき…..

「いやあいやあ、いやあ、ここか!私の部屋は!!」とバカでかい声が響き、ポンチョを身にまとったチャベーラ・バルガスのような老婆がせわしなく部屋に入ってきた。
たしか病棟に上着を持ち込むのは禁止なはずなのに、どうやって持ち込んだのだ、そのポンチョは!
さらに付き添いの女性も一緒にいた。

そして、もうひとり、この病室で入院するというショートカットの50代後半くらいの女性まで来た。
そしてチャベーラ・バルガスは私に気付き、
「先客がいたね。私はオルフェ。どうぞよろしく!!」
とバカでかい声で挨拶してきた。すごいテンションが高くて圧倒される。
て、いうかこの人本当に病気なのか?

一日も経っていないのにいっぺんに人が増えて、しばし個室を楽しみたかった私は一気に落胆する。
でも、チャベーラ・バルガスには付き添いのルーペという女性がいるから、丁稚はしなくてすみそうだ。幸い私にも付き添いの家族もきてくれているし…と自分を納得させる。

チャベーラ・バルガスは、チャベーラの愛称「チャマナ」と呼ぶことにしよう。そして、ショートカットの女性はバレリアというが、ロックンローラーみたいなので、葛木ユキと命名する。
チャマナも葛城ユキも手術が明日になるらしい。

その夜、チャマナは高齢のためにトイレに行くことや、持病で何か大変らしく、夜中に何度も看護婦を呼んでいるようだった。というよりも、とにかく自己主張が激しいようで、何か文句をビービー言っていて、付き添いのルーペを困らせている。その騒ぎで全く眠れず。いやあ、大変な部屋に当たっちゃったな….. 。






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[ 2012/09/17 17:20 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(0)

手術入院体験記3 まったく記憶がない 

8月13日

今日は手術の日。早朝、看護婦が起こしにきて、ふたたび剃毛処理をされる。
こう何回も剃毛されると、人前で股間をさらすのも平気になってきそうだ。
点滴を開始。足にぐるぐるとサポーターを巻かれる。
部屋を出る前に、起きていたらしいツタンカーメンが、「きっとうまくいくから」と声をかけてくれる。手術室搬送用の専用ベッドに横になるように言われ、寝たまま運ばれる。
ここはメキシコだから、もしかしたら歩いて手術台まで行くのかなあ…と、なんとなく思っていたのだが、さすがにそうではなかったので、少し安心する。


手術が始まる前まで、手術室の手前の部屋(recuperacion。手術後回復するための部屋)で待機することに。病室から付き添ってくれた看護婦が「Suerte(成功を)」と声をかけて去って行く。
せっかく成功を祈られたのに、心細い気持ちになってくる。
この部屋の担当のちょっとオネエキャラのルイスという男性が、
「あなた日本人でしょ?」ときいてくる。
そうだ、というと、日本食のバランスの良さについてとうとうと語られ、
「メキシコ料理はほんとうに駄目よね、その点では!」と、
あんまりにメキシコ料理をけなすので、なんでか知らないけど
pico de gallo(サルサ・メヒカーナとも言う。サルサについてはこちらの記事を参考に)はバランス食だと思うけど、と思いきりメキシコ料理の肩を持ってみるが、
「でもさ、やっぱメキシコ料理は油もチレ(唐辛子)もいっぱい使ってるし、そんなの健康と美容のためには駄目よ駄目っ!ほら、だって私たちすごいデブでしょう!?」とたしなめられる。
ルイスは多くのメキシコ人がそうであるように「寿司が大好きなのよ〜寿司もお魚が食べれてバランスがいい料理よねっ」と言っている。「でも、日本人は寿司を毎日食べるわけじゃなくて、特別な日とかに食べるんだよ。モーレ(メキシコのチョコレートソース料理)を毎日食べないでしょ?」と、また私も適当な持論を述べ、対抗してみたりして。しかし、なんで、緊迫した手術前にこんな会話をしなきゃいけないんだろう….。
あっ!もしかして、ルイスは私をリラックスさせようとしているのかもしれない。
と、考えるが、そうじゃないだろうな、別に。
そうこうするうちに、麻酔技師が現れる。そして手術室のなかに移動。全身麻酔をするので、その承認のために書類にサインをしろと言われ、いつものように漢字で自分の名前をサインすると、「キャー、みてみて〜日本語だ!」と言って皆珍しがって感嘆の声をあげている。そのなかのひとり、ダイアナ・ロスのように化粧の濃い女医の手術用の着衣は真っ赤で、派手なネックレスをしていて、こんな着飾った人が、とてもこれから私の腹を切るように思えない。そういや、執刀医であるはずの医師の姿がないんだけど、大丈夫なんだろうか。と、考えていたら、麻酔が効いてきてあっという間に眠ってしまったようだ。

ゆっくりと目が覚め、気がつくと、手術室の外に居た。異様に寒い。
ルイスがいたので、毛布をくれと頼み、今何時なのかときけば、「もうすこしで2時になるくらいかな」と言う。
手術は9時開始だったので、すでに5時間くらい経っているではないか。
隣にも手術を受けた女性が横たわっていて「腹が腹がめっちゃ痛い〜」と、うなっている。私は、というと、思ったよりは痛くない。ちょっと腹を触ってみると、手術した形跡はあるのだが、怖くて確かめられない。
どういう手術だったのかもわからず、ルイスに手術はうまくいったのか、と質問すると
「うまくいったんだよ。くわしいことは後で医師があなたに話すから」と言われる。なんだか不安だ。
何しろ、まったく記憶がないのだ。

しっかり目が覚めたということで、病室に戻る。
病室には、もうツタンカーメンも落合の妻の姿もなかった。無事に退院したようだ。
誰もいない静かな病室で、ちょっとほっとする。

[ 2012/09/11 07:34 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(0)

手術入院体験記2 ツタンカーメンと落合の妻のあいだで 

tutankhamen.jpg
ツタンカーメン(写真:wikipediaより)

8月12日 

朝目が覚めると、周りの風景がいつもと違うのに驚くが、すぐに、ああ、私はきのうから入院したんだった、と気がつく。
うとうとしていると、アルマ改めツタンカーメンが怒ったように「わたし、ひとりでトイレにいくわ」と吐き捨て、よろよろと立ち上がり、点滴をもったまま仁王立ちしている。
どうやら何回か私を呼んでいたのに気がつかなかったので、ご立腹な様だ….というか、各ベッドにはブザーもあり、ナースコールもできるはずなのだが、彼女の女王様気質のせいで、呼んでもすぐに看護婦が来ないのは許せないんだろう。

[ 2012/08/31 07:41 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(4)

手術入院体験記1 入院初日 

8月11日


本日の夜から入院する予定なので、まず、ベッドの確保をその当日の朝にしなければならない。
そのため家族が、病院へ行ったところ、夫が最近職場を移籍した際の書類が一枚足りないので、それがなければ、予定通り入院も手術もできないかも、と脅されたらしい。「今さらそんなことを言うなんて!」という感じだが、この国で頻繁に起こるこの手の類いの問題には慣れっこなので、驚きよりも、「やっぱり…」と思ってしまう。
しかし、あれだけ、さんざん待ったのに、手術できないなんて、と愕然とした気持ちになる。

[ 2012/08/30 09:24 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(0)

メキシコ手術入院体験記 序章 

blogultrasonido.jpg


少し前のブログでもお伝えしたとおり、メキシコ人の夫の務め先である、政府の保健省管轄の病院で8月13日に卵巣膿腫の手術をしました。
手術の日程が決まるまで半年以上も待たされ、親にはメキシコの病院は信用できないから日本に戻れとか、さんざん言われながらも、この治療のために日本で数ヶ月滞在するのは嫌だったのと(もちろん、そんな金はないし、うちの親も帰ってこられたら迷惑だと思う)、国内最高水準の医療設備がある病院にも関わらず無料で手術、入院できることから、メキシコでの手術を決心しました。
入院前の症状はお腹が異様にはっているのと、体重がぐんぐん増えて行くのが気になったくらいで、酒も適度に飲んでいたし、食事も好きなものを食べて、自転車も毎週末に30kmくらい走っていました。
果たしてメキシコで手術入院する人はどれくらいいるのかわからないのですが、そんなに簡単にはできない貴重な経験だと思うので、このブログにも少しずつ掲載していきたいとおもいます。

メキシコ手術入院体験記





[ 2012/08/30 09:20 ] メキシコ手術入院体験記 | トラックバック(-) | CM(0)

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